思い切ってワールドクルーズ〜飛鳥Ⅱ乗船日記

2019 アジア グランド クルーズ 乗船日記 更新中

飛鳥2アジアンクルーズ2014-15&16

今は足摺崎の沖を神戸に向かっています、あと少しでクルーズも終わります。
少し日付を戻して2月27日(木)にマニラで見た情景を記載させてください。

別れの中でも船の別れは飛行機や汽車や車に比べて情緒があります。
汽笛が響きドラが鳴りテープが飛びます。
マニラ港の出航風景はこの情感あふれる別れの典型でした。
飛鳥には、客室のメイド・レストランのボーイ・機関室などの作業員に何百人ものフィリピンのスタッフが働いています。
しかし、飛鳥は年間に一回程度しかマニラに寄らないので、ここに寄港する時は、みんな2〜3日前からとても嬉しそうになります。
家族を出来るだけ港に呼んでお土産を用意して面会します。
でも、24時間交代で働いているので、好きな時間に会えるわけではありません。
また、2000以上の島から成り立つこの国では新幹線で来る訳ではなく、家族もそれなりに時間を掛けて来ているのです。

耳をふさぐほどの汽笛が響き渡り船体が岸壁から離れ始めた時は、数知れない別れのテープで水面も見えません。
デッキでは私服のフィリピンのスタッフが、あちらこちらで手を振り、眼を赤くしています。
顔見知りのボーイさんの奥さんは紺の服を着た長身の方でしたが、彼が夕食時間の担当だったため、出航15分前に食堂に戻る為、デッキから去っていきました。
それでも船に向かって手を振り続ける夫人の姿を見ているのが辛くて私達も舷側から離れました。

多くの家族の別れを見ている乗客の眼も潤んでいます。
ブラスバンドの歯切れの良い演奏も別れの曲に変り、紙テープもちぎれ人影も小さくなると、今日のメインイベントが終わったような気がします。
 
我々の子供の時代も船客側に居ることが出来るように、我々日本ももう少し頑張るかと言っていた年配者がいたことも、このドラマの一面を物語っています。


(つづき)

3月1日(土)の夕方、小雨に煙る基隆(ジーロン:台湾)に入港しました。
このクルーズ初めての雨ですが三日に一度降水のある土地柄であれば、しかたがありません。気温は13度で熱帯になれた身体には肌寒く感じられます。

台湾の土日はどこでも夜市が開かれますが、ここの夜市は盛大なので有名だといわれて、夕食後に見学に出掛けました。
街の一角の道路に、屋台がづらりと並んで、人々が肩を触れ合うようにして歩いています。
スリに用心と言われていますが用心の仕様がありません。
パスポートのコピーと乗船証を下着の下に入れて、小銭を3千円ほどポケットに突っ込んでいきました。
スリの被害より好奇心のほうが強くて90分ほど人並みにもまれました。

みんな水餃子・鶏の各部位の煮物・焼き物・紅色の串団子等を店先の丸椅子に座ってたべています。
ここではほとんど自宅で料理をせず、三食とも外食をすることが有るようですから、屋台は必需だそうです。

3月2日(日)は小雨でしたが計画していた路線バスによる「野柳」の海蝕奇岩見物旅行を決行しました。
前夜に調べておいた基隆バス790番路線にのって出発しました。
バス代は車内で精算と聞いていたので乗客の人に聞きましたが、英語も日本語も通じません。やっとバスは紙幣が使えず、コインだけだと分りましたが、後の祭りです。
代金は25元で,二人で50元なので100元の紙幣をだしておつりは寄付と考えました。
野柳に着き、料金箱に100元を入れようとした時、バス代を教えてくれた、おじさんが私達の代わりに50元硬貨を料金箱に入れて身振りで早く降りろと言いました。
慌てて100元を渡しましたが受け取らず、他の乗客に押されて下車しました。お礼も出来ず申し訳なかったです。

野柳は海水により堅い岩が残り、柔らかい岩が削られた奇岩が数多く並んでいます。
中には女王の首や動物の形に見えるものが有り、中々見ごたえがありました。
ここは漁港なので新鮮な海老、蟹が食べられます、店のお薦めで蒸し海老ランチを取りましたが海老だけでお腹が一杯になりました。

多くの海外旅行の案内書には「スリ、置き引き注意」と書かれていますが。今回の旅行も被害に遭わずに済みました。
逆に地元の方々の好意に助けられた事が多く有ったのですが、旅行案内書には書かれていません。
この様な事を身を持って体験するのが個人旅行の醍醐味です。