思い切ってワールドクルーズ〜飛鳥Ⅱ乗船日記

2019 アジア グランド クルーズ 乗船日記 更新中

スエズ運河通過

今朝(25日)は6時に飛び起きて15時ごろまでかかったスエズ運河(162KM)の
通過を楽しみました。
他の乗客も昨日のカイロツアーの疲れも見せず早朝からデッキにでて
運河の風景や船員達の作業を見守っています。
飛鳥は北行き船団30隻の一番船としてパイロットを乗せ運河に入りま
した。幸い恐れていた砂嵐もなく晴天で視界は良好です。
シナイ半島側(飛鳥の右舷)は見渡す限りの砂漠ですが左舷側は
思いのほか緑が多く灌漑によりナイルの恵がここまできているのがわか
ります。
運河通過でも、エジプトらしいのが砂嵐に備えて探照灯を取り付けに
乗って来た運河作業員がいつの間にかデッキにみやげ物を広げて物売り
に変身してしまいました。副船長さんの経験談によると物売りに変身す
るのは良い方で、物取りになることもあるので飛鳥では手空きの船員を
動員してマンツーマンで作業員を監視しているそうです。
販売する「みやげ物」の定価はなく誰が幾らで買うかは、乗客各々の腕
次第です、またフィリピン人のメイドさんたちは日本人の5分の一くらい
の価格で買っているようです。
地中海から紅海に抜ける船団は南行船団は途中「バラーループ」と呼ば
れる待機所で北行船団を待ってくれていますが、砂の丘に水路が隠れて
水が見えないので、砂漠中にに大きなコンテナ船や鉱石運搬船座礁
たように並んでいるのは面白い風景です。
ちなみに飛鳥の運河通行料は31百万円で、船の大きさにより多少通行料
は違いますが、一日の通航可能量は80隻といわれていますからエジプ
トにとって大切な財源です、警戒も厳しくて運河の岸辺には2〜3Mおき
に歩哨がいます。
また、万が一の時にシナイ半島側に軍隊を送り込めるように浮橋の機材
があちらこちらに準備されています。
まさに、中東問題は現在もつづいていてエジプトも準臨戦状態にあるこ
とを実感します。また、わが国の生命線もこの危うい現実の上に浮いて
いると考えるとゾ〜とします。
運河を越える橋は日本・エジプト友好橋(ムバラク平和橋)が唯一の橋で
すが、総工費の6割が日本の無償援助だそうです。ようは我々の税金で
すがメインの橋脚に日章旗をあげて日本に敬意示しているだけ「某国」
への援助より有効かもしれません。
不思議なことに運河を通過してポートサイドまで来ると吹く風がすずし
くなり、海水温度15度と約10度さがります。猛暑から心地よい5月
に戻りました。